「英語学習は早い方がいい」「日本語を習得する前に、他言語を学んでも中途半端」など、様々な意見が飛び交っているかと思います。今回は、約70万人のネイティブおよびノンネイティブの英語スピーカーのデータをまとめた研究を紹介します。
英語は何歳から勉強を始めればいいのか
英語学習が早くから始めた方が習得が早いというイメージを持っている方も多いと思いますが、実際に何歳から勉強すればいいのか、具体的にはなかなか明言されません。
そこで、今回紹介する研究論文(Cognition, 2018 Aug:177:263-277)では、669,498人の英語を母国語とする話者と英語を母国語としない話者について、現在の年齢、初めて英語に触れた年齢、経験年数のデータセットを集め、学習能力との関連を明らかにしています。
文法学習能力は17歳まで低下しない
文法学習能力が年齢とともにどのように変化するかについて検討した結果、文法学習能力は成人期のほぼ真ん中(17.4歳)まで維持され、その後低下することが明らかになりました。
また、この年齢は、「難しい」言語習得だけでなく、通常、習得初期に習得される「簡単な」言語習得についても同様でした。
本研究により、言語習得には臨界期が存在することが事実として明らかになりましたが、そのオフセット年齢はこれまで推測されていたよりもずっと遅いということも同時にわかりました。
大人になったら、年齢をきにせず第二言語学習に取り組むのが良い
私も調べて初めて知った内容だったのですが、学習能力は17.4歳まで維持されますので、意外にも幼少期から英語学習を始めなくても、英語習得はできるようです。ただ、それ以降の低下は大きいですので、17.4歳までにしっかりと英語を向き合うことをおすすめです。
また、17.4歳を過ぎた以降は、本研究では20代も30代も大した違いはありませんので、年齢を気にすることなくトライするのが賢明と言えそうです。