英語などの第二言語を学んでいると、語学の勉強とその他の勉強も同時にできないか、つまり第二言語で新しいことを学べないかと想像するものです。そこで今回は、第二言語でのコンテンツ学習についての研究報告を紹介します。
目次
第二言語習得における利点が大きい?
第二言語を通じてコンテンツを学習する場合、一般的には、言語習得における利点が、コンテンツ習得の減少による不利益を上回ると想定されることが多いです。
実際にそのような想定が正しいのかについてヒントを与えてくれる研究報告(The British Journal of educatuional psychological, 2022 Jun;92(2):e12468)があります。
使用する言語の順番が重要!?
この報告では、母国語がフランス語であり、第二言語がドイツ語である学習者を対象としています。
対象者はリスニング課題を行います。リスニング課題を2回実施した後、第二言語であるドイツ語と、リスニングの内容であった学術的内容の理解度をテストします。
2回を行うリスニング課題で使用する言語が、母国語(フランス語)で2回、第二言語(ドイツ語)で2回、最初にフランス語、次にドイツ語、最初にドイツ語、次にフランス語の4つの条件に分けられます。
これら4つのグループで、テストの結果を比較したのです。
まずは母語語で内容理解がおすすめ
その結果、第二言語で聞く前に第一言語であるフランス語で内容を聞くと、内容学習と言語学習の両方に有益であることが示されました。
つまり、何か新しいことを勉強する際は、母国語で学ぶ方が効果的と言えそうです。
第二言語を通して内容理解を目的に学習課題に取り組むことは、現時点はあまりおすすめできません。
何か新しいことを勉強する際は、”まずは”母国語で学び、内容を理解した後に英語などの第二言語で学習しましょう!