TOEICで英語力を評価できるのか

結論としては、TOEICは英語力を評価しています。

実社会でTOEICスコアがどのように扱われているか単純に言語の観点でTOEICスコアは英語力を反映しているのかについて、それぞれ確認していきましょう。

目次

企業はTOEICで英語力を評価している

こちらの記事(TOEIC初心者が目指すスコアは?)でもご紹介した内容も含みますが、IIBCの調査報告(英語活用実態調査、IIBC、2019)によると、企業のTOEIC結果の利用用途はとしては、「研修前の実力診断」、「研修後の効果測定」、「昇進、昇格の基準」、「海外赴任者、海外出張者の選抜の基準」が上位を占めています。そのうち、「研修前の実力診断」、「研修後の効果測定」が最上位にランクインしています。 このことから、企業はTOEICを用いて英語力を評価していると考えられます。

以下は、個人的な私感です。

「TOEICと英語力は関係ない」、「TOEICが高くても英語は話せない」という意見を耳にすることがあります。これに対しての返答を、今回は2点ご紹介します。

TOEICと英語力は関係ない

ここでいうTOEICはLRテストです。関係ないと言っている方々は、英会話と比べているかと思います。

TOEIC LRテストは英会話力を評価していません。英語を用いたリスニング力、リーディング力を評価しています。返答としては上記でも十分かと思いますが、いくらか補足をします。まず、1個人の話をしているのではなく、統計学的なマクロの視点で考える題材であることを念頭におきます(話すのが得意な人、読むのが得意な人、様々な特徴があるから一定の母数は集めて考えましょう、ということです。)

英語に限らず、語学全てに当てはまると私は感じていますが、今回はわかりやすく、英語、そしてTOEICテストを用いて研究報告書の結果をご紹介します。

2017年から2019年に行われた300名弱を対象とした研究において、TOEICLRスコアと、LRSWの総合点の間に、強い相関が認められたことが示されています。つまり、LRのスコアが4技能のスコアの代替となりうると考えられます。

こちらの記事(TOEIC初心者が目指すスコアは?)では、TOEIC受験者数の大部分が、LRテスト受験者であり、かつ、そのテスト結果を用いて、企業は英語力を判断していましたが、それら一連の流れが、妥当であると考えられます。

確かに、800の自分よりも、900の自分のほうが話せる

違和感があるのは、個人差が大きいのかも。

TOEICが高くても英語は話せない

次に、TOEICが求める別要素についてご紹介します。

あくまで私感ですが、TOEICは一定の情報処理能力を求めています。より具体的にお話ししますと、短時間で多くの設問に解答する必要があり、多くの問題文、選択肢を読む必要があります。こちらの記事でイントロダクション中に、選択肢を読むことをおすすめする理由の一つです。 時間に対して、読む文字数が多いので速読力が必要です。これをすべて読まずに解答して高スコアを取得しようとすると、「スキル」といった考え方がでてきます。

スキルについては、私が受験期に学んだディスコースマーカーの話を別記事でもお伝えしようと思います。

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