母国語と同じように脳が反応できるバイリンガルとできないバイリンガルの違い

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母国語と第二言語では、脳の反応が異なる

イタリア語を母国語第二言語を英語とする方を対象とした、バイリンガルに関するPETを用いた機能イメージング研究において、
母国語(イタリア語)の物語の聴覚処理は、第二言語(英語)よりも側頭葉と側頭頭頂皮質に広く関与することが示されています。

この結果のように、母国語第二言語に関連する大脳の活性化パターンが違うことが示されています。

上記の研究では、イタリア語を母国語とし、第二言語である英語を学んだ時期が遅い」という特徴を有していました。

第二言語の英語の習熟度としては、言語運用能力は高いとは言えないが、まずまずのレベルといったところであり、習熟度が低く、後期習得型のバイリンガルとカテゴライズされています。

習得時期は異なるが、習熟度の高いバイリンガル

続いて、習熟度の高いバイリンガルにおける第二言語の早期習得と後期習得の効果を評価した研究(Brain, 1998 Oct:121:1841-52)では、
同様のパラダイムを用いて、
10歳以降第二言語を習得したイタリア語・英語バイリンガル(高熟達度、後期習得バイリンガル)と、4歳以前第二言語を習得したバイリンガル(高熟達度、早期習得バイリンガル)を対象としています。

習得年齢は重要でない。重要なのは習熟度。

その結果、低習熟度のボランティアが母国語と第二言語の物語を聞いたときに観察された皮質反応の違いは、
続く高習熟度グループを対象とした研究では、いずれグループにも見られませんでした

習得時期の異なる2グループを設定していますので、習得年齢よりも到達習熟度の方が重要であると考えられます。

整理すると以下の表のようになります。

スクロールできます
脳の反応パターン習熟度低習熟度高
習得時期早データなし母国語と違いなし
習得時期遅母国語と異なる母国語と違いなし
母国語第二言語の物語を聞いたときの脳の反応パターン

仮に学習を始めるのが遅くても、習熟度を高めれば、母国語と同じように脳が反応できるのは嬉しい情報ですね!

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