第二言語の英語習得に聞き流し学習は効果があるのか

常に机に向かって勉強できるわけではないと思います。でも勉強したい、しなければ…

そんなときに聞き流し学習でも効果があればありがたいですよね。
そこで、今回は聞き流し学習に効果があるのかについて確認していきましょう。

目次

聞き流し学習の可能性

受動的な聞き流しによって音声言語に触れることによって、言語習得に必要な”規則性”を理解し、身につけている可能性があると言われています。
言語には、単語、フレーズ、音節など、さまざまなレベルにわたって重複するパターンが含まれており、このようなパターンや規則性を、聞き流しによってガイドなしで自動的に抽出できるようになり、言語習得を部分的にサポートしているかもしれないのです。

第二言語学習に効果があるのかについての研究論文

ただ、実際に成人の第二言語学習者の自然言語学習をサポートしているかどうかを調べた研究はあまりありません。

そんな中、2023年に新たに研究論文(Psychon Bull Rev, 2023 Apr;30(2):751-762)が報告されましたので、紹介します。

この報告では、70名の成人英語話者が参加し、イタリア語または英語のポッドキャストを2週間毎日聴きながら、通常の日常生活を送りました。
単語知識を測定するために、参加者はリスニング期間の前後にイタリア語の単語とイタリア語でない単語の区別評価を行いました。

参加者にとっては、母国語が英語で、第二言語がイタリア語ですね!

聞き流し学習によって第二言語が上達

その結果、イタリア語リスナーは英語リスナーと比較して、イタリア語の単語とイタリア語でない単語を識別する能力が有意に向上しました。
このことから、自然な外国語(第二言語)の音声に触れることで、ガイドなしであっても第二言語に関連する単語の特徴が抽出され、新しい語形が発達することが示唆されています。

また、このような学習形態は、明示的な努力や正式な指導、集中的な学習がなくても起こりうるとされています。

第二言語学習者は、単にその言語を聞くだけで、関連する音声パターンと初期語形を習得できる可能性があるということになりますね!

勉強の気分にならないときは、英語の聞き流しが良い方法かもしれません。効果が期待できる研究報告があると嬉しいですね。

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